水曜日, 12月 27, 2006

何かが必ず起こる

今日の札幌は師走だというのに雨がしとしと降っている。
変な天気だなぁと思っていたら、振り返ってみると
今年の北海道は気候がおかしな一年だったのではないかと思った。

夏は、10月の上旬まで暑かったし、
冬になってもあまり雪が降らないし、
今日にあっては、雨まで降るし...。

とはいっても過去の北海道の気候をよく知らないので、
北海道のみなさんの言うことからの推測にすぎないけれど...。

この時期振り返ってみるのは、大抵その年の気候だけではなくて、
むしろ自分の周りでおこったことだろう。
いやはや、今年もたくさんのことが起こった。
なにより、人との出会いがものすごく多く、そしてクレイジーだった。

大学という『場所』のすごさを思い知った。
大学には、さまざまな人が集まる。
彼らひとりひとりが当然の如く、それぞれことなる思い、目的を
もってここに集う。

始まりと終わりがそれぞれはてしなく遠くはなれている何本もの糸が
大学という『場』で複雑にあからみあって、不思議な幾何学模様を
つくったり、奇妙な同期現象を見せている。
しばしば、何かひとつの目的を達成するために集まった人々のように、
ひとつの生物のように見えることすらある。
(ときがたてば、それぞれの行く先へと別れてゆくのに....)

「人が集まると、どうして何かが必ず起こるのだろうか?」
今年を振り返ると、この疑問にたどり着くために、
全てが仕組まれていたかのようにさえ思えてくる。
ただ、この問に気づいただけだが...。

土曜日, 12月 02, 2006

Perturbation(摂動 せつどう)

先生が走る時期になりました。
札幌もやっと雪が積もり始め
(今年はとても遅いようです)、
雪国らしくなってきました。


北海道の冬は(実は)初めてではありませんが、
札幌の冬は初めてです。
失敗を恐れず、挑戦する冬にしたいですね。
(何言ってんだ?)

すこし前に「ゆれる」という映画が私のまわりで話題になりました。
私は見ていないのですが、
みなさんの評価がともて良かったのが
記憶に残っています。(いつか見よう、いつか....)

この映画「ゆれる」は、
英語で言うとvibrationになるのでしょうか。
vibrationには「振動」という意味の他に
「(心の)動揺、迷い」という意味もあるようです。
これでもある程度、映画のテーマをあらわしていますが、
(物理かぶれの)
私なら英題を"Perturbation"にしたいですね。

このperturbationという英単語は、perturb
という動詞を名詞化したものです。
perturbには、
1.<人>の心をひどくかき乱す
2.<物・事>を混乱させる
という意味があります
(大修館 ジーニアス英和辞典より)。
そしてその名詞形 perturbationには、
動揺、ろうばい、不安、心配
という意味があります(同辞典)。

うむ、とてもよく映画「ゆれる」の雰囲気を表した
英単語だと思いませんか?

さて、物理の世界ではこのperturbationがよく
出てきます。
物理現象を「動揺させる」のです。
そしてそれを物理屋は、摂動(せつどう)と呼びます。
物理屋は、この世の法則を解明、発見することが仕事
です。摂動はその手段の一つです。
イメージはとても簡単です。

あなたは今、トッレキング(山歩き)に来ています。
今日は杖を持って歩こうと思い、
その辺に落ちているお手ごろな枝を探しています。
ちょうど良い枝がありました。
(ちょっと待って!)
どうしてあなたは、その枝がちょうど良いと
思ったのでしょう。

きっと見た目(大きさ、長さ、太さ、汚れなど)と
持ったときの感じ(重さ)からではないでしょうか。
そこで用心深い人は、振ってみたり、曲げてみたり
して、その枝の丈夫さを確かめるでしょう。

まさにこの「振ってみる」「曲げてみる」ことが
摂動をあたえる(動揺させる)ことです。
つまり、
見たり、持ったりした(安定して存在した状態)
からだけではわからない性質を調べる方法なのです。

感情なんて一見ないような
(おいおい、良く見たらあるんかい!)
身の回りに物理現象に
perturbation(動揺させる)
なんて言葉を使うなんて面白いですよね。

でも以外と的を得た言葉使いかなとも思います。
たとえば、私達 ヒトは動揺したときや心配事が
あるとき、素の自分や本音をこぼしてしまうことが
あります。
いつも大人しい人が追い詰められると、
とても攻撃的になったり。
いつも調子の良い明るい人が、元気がなかったり。
いつもの落ち着いた状況だけでは垣間見ることの
できない意外な一面がperturbationによって
表出することがあります。

そしてときに、そのperturtabationは、
八方塞がりになっていた環境(local minimum)
から新たな高み(global minimun)へ
押し上げてくれることもあります
(もちろん、その逆もありますが....)。

この冬、自分にperturbationをどんどんあたえて
まだ見ぬ自分に出会う季節にしてみるのは
いかがでしょうか。

失敗を恐れず、挑戦する冬にしたいなぁ...。